JGTC最終決戦!!

栄冠を手にする者は誰か!? 鈴鹿は緊迫必死だ!
GT300はM-TEC NSXARTA Garaiyaの一騎打ち!
2004年のAUTOBACS全日本GT選手権JGTC)は、ついに最終戦を迎える。11月20、21日に三重県鈴鹿サーキットで開催される第7戦『SUZUKA GT300km』は、今シーズンの最後のレースであり、ここで今季のチャンピオンが決定することになる。

終戦のポイントは決勝レースのみ
 まず、ここで選手権ポイントの仕組みを確認しておこう。JGTCでは予選とファステストラップ、そして決勝レースの結果に対してポイントが与えられる。これまでのレースではそうだった。
 だが、今季は規定が改定され、最終戦だけは予選とファステストラップのポイントは与えられず、決勝の順位に対するポイントのみが加算されるのだ。
 したがって、最終戦でのチャンピオン争い、そしてランキングの変動をチェックする際は、決勝レースのみを考慮すればいいことになる。
 この変更は、予選とファステストラップのポイントがウエイトハンデに対するプラス要素であった事がひとつの要因である。最終戦の結果に対するウエイトハンデは、次シーズンの開幕戦に引き付かれることはなく、ウエイトハンデはシーズン毎にリセットされる。したがって、最終戦にプラス要素は必要ないと言うことだ。もう一点としては、最終戦で複数のポイント獲得チャンスがあることで、決勝レースが複雑化してしまうこと。決勝のポイントだけなら、他のレースと同様に順位だけを追えばいいことになり、サーキットのコースサイドなど情報の少ない場所で見ていてもランキングの結果が分かりやすいことになる。以上のことが考慮され、今季からこのような規定に変更された。



ザナヴィ、デンソー、エッソの戦いはどうなる?

本山哲(左)/R.ライアン

 GT500クラスのチャンピオン争いで最終戦まで生き残ったのは、No.1 ザナヴィニスモZの本山哲/リチャード・ライアン組とNo.39 デンソーサードスープラGTのジェレミー・デュフォア/アンドレ・クート組、そしてNo.6 エッソウルトラフロー スープラ脇阪寿一/飯田章組の3組だけとなった。

 ポイント差を考えれば、前戦で優勝しランキングトップに躍り出たザナヴィの本山組が2番手であるデンソーのデュフォア組を11ポイント、3番手エッソの脇阪組を12ポイントとかなり引き離しており、有利な立場にいるのは間違いない。実際、本山組は3位に入れば自力でチャンピオンとなり、6位であってもデュフォア組は優勝しなくてはならず、脇阪組に至っては優勝しても権利なしとなってしまう。

No.39 DENSO SARD SUPRA GT


J.デュフォア/A.クート

 しかし、本山組のザナヴィニスモZは120kgものウエイトハンデをこの最終戦で背負う。常識的に考えれば、6位というノルマすら極めて難しいというのがこれまでのJGTCだ。80kgを課せられながら前戦オートポリスで優勝したチームの底力を、ここで鈴鹿でも発揮できるか? そこがポイントとなるだろう。

 一方、追うデュフォア組と脇阪組は、本山組にプレシャーを掛ける意味でも優勝を狙って行かねばならないだろう。特に脇阪組は、3位では本山組やデュフォア組がノーポイントでもチャンピオンになれない。しかも優勝のない彼らは、同ポイントではダメなのだ(同点の場合は、上位入賞数の多いものが上になる)。こうなっては、本当に勝つしかない。しかも、ハンデ100kgの脇阪組にとってはまさに「ミッション・インポシッブル(不可能な作戦」かもしれない。
 デュフォア組にしても最低条件は3位以上。本山組が10位以下のポイント圏外なら、これでOKになる。

No.6 ESSO Ultraflo Supra


脇阪寿一/飯田 彰

 しかし、かく言うデュフォア組のデンソーサードスープラGTも70kgのウエイトがある。前戦、本山組は80kgで優勝している。その前例がある限り不可能とは言えない。彼らを越えるためにも、このウエイトで結果を出す。まさにチャンピオンに値するかの、審判となるのだろう。
 なお、GT500クラスのチームタイトルは、すでに前戦でNISMO(No.1&22)が決めてしまっている。