GT300は"前に出た方勝ち"の駆け引きレースか?

GT300クラスのチャンピオン争いは、No.43 ARTA Garaiyaの新田守男/高木真一組とNo.16 M-TEC NSX山野哲也八木宏之組の2組に絞られた。ランキングトップの新田組に対し、追う山野組はわずかに4ポイント差。そして、ともにウエイトハンデはクラス最大限の80kgだ。2勝を挙げた新田組に対し、2位3回3位1回と高入賞率を誇る山野組。極めてレベルの高い戦いになりそうだ。
 どちらにしても優勝すればチャンピオンになれる。80kgでも不可能と思えない両チームでもある。だが、やはり安全第一で考えれば、互いのポジションを見ながらの戦いになるだろう。その点では、ポイントで上回る新田組が有利。優勝されない限り、山野組の直後でゴールできれば新田組のチャンピオンだ。チャンピオン経験のある新田、高木両選手にとって、まさにうってつけのシチュエーションかもしれない。

No.16 M-TEC NSX


山野哲也八木宏之

 それだけに山野組は、新田組の常に前にいなければならない。しかも7位以下では新田組がノーポイントでも逆転できないため、レース中は4、5番手にきっちり付けることが大事になるだろう。もちろん、表彰台圏内にいれば、新田組に大きなプレッシャーを掛けることができる。山野はJGTCでも全日本ジムカーナ(現役チャンピオン)でも修羅場をくぐってきているが、相棒の八木は全日本級のレースでのチャンピオン争いは初体験となる。山野がいかに新田組をリードできるか、そしてGT500チャンピオン経験もあるM-TEC(元・無限)がいかにいいマシンを仕上げられるか。そこに掛かってきそうだ。

 当然、GT500と同様にこのチャンピオン争いを左右しかねないのは、それ以外の有力チーム。チームタイトルの権利を残すNo.10 JIM RodeoDriveアドバンF360など、今季勝利しているNo.19 ウェッズスポーツセリカ、No.7 雨宮アスパラドリンクRX7(山路慎一/井入宏之組)や勝てそうで勝てていないNo.81 エンドレスアドバンダイシンZなどは、勝利以外は眼中にないという勢いで来るだろう。
 常に激戦、さらにGT500との混戦状態が必至のGT300クラス。本当に予断を許さないレースとなるだろう。